「精神疾患」と聞くと、皆さんはどんなイメージを持ちますか?もしかすると、「仕事ができない」「危険だ」といったネガティブな印象があるかもしれません。でも、実際のところはどうでしょう?今回紹介するのは、精神疾患を取り巻くいくつかの神話と、それが原因で生じる職場での課題について。この記事では、海外の研究(https://theconversation.com/myths-around-mental-illness-cause-high-rates-of-unemployment-127155)をもとに、精神疾患に関する誤解を解き明かしつつ、日本の現状にも目を向けていきます。
メンタルダウンした人は仕事ができないって本当?
最初に取り上げる神話は、「精神疾患を持つと仕事ができなくなる」というもの。でも実際、そんなことはありません。確かに精神疾患を抱えている人は特定の時期に体調を崩すこともありますが、それは全ての能力に影響を与えるわけではないんです。
例えば、アメリカの大統領のうち約半数が何らかの精神疾患を抱えていたというデータがあります。エイブラハム・リンカーンやセオドア・ルーズベルトといった歴史的なリーダーたちは、精神疾患を持ちながらも非常に重要な役割を果たしてきました。
日本の現状:日本でも、精神疾患を抱えた人々が活躍しているケースは多くありますが、職場の偏見や誤解が原因で、彼らが十分に力を発揮できないことが問題です。例えば、適切なサポートがあれば、精神疾患を持つ人々も高いパフォーマンスを発揮することができるのです。
精神疾患と身体疾患、何が違うの?
次に、精神疾患が身体疾患と同じように扱われていない点に注目します。例えば、がんや心臓病といった病気は、「道徳的な欠陥」とはみなされませんが、精神疾患についてはそのような見方をする人がいます。これは大きな誤解です。
精神疾患も他の身体的な病気と同じく、適切な治療やケアが必要です。精神科の診断は非常に信頼性が高く、これらの病気も早期の治療が効果的です。
日本での現状:精神疾患に対する理解が進む一方で、日本ではまだ「心の病気は甘えだ」といった偏見が残っています。こうした誤解を解き、精神疾患に対する正しい理解を広めることが大切です。
精神疾患の人は危険?その誤解が招く問題
次に、よく耳にする誤解が「精神疾患を持つ人は危険だ」というものです。しかし、大規模な研究によると、精神疾患を持つ人が他人に対して危険な行動を取る可能性は、一般の人々とほとんど変わりません。むしろ、精神疾患を持つ人々が暴力の被害者になるリスクの方が高いんです。
ニュースやメディアの報道では、事件と精神疾患を関連付けるような見出しが目立ちますが、これは誤解を生む原因にもなっています。
日本でも、こうした報道によって精神疾患を持つ人への偏見が強化されてしまうことがあります。実際には、精神疾患を抱える多くの人々は穏やかで、仕事や社会においても普通に貢献できる力を持っている、という研究を、私も信じています。
精神疾患について話すことが偏見を増やす?それは大きな間違い!
「精神疾患について話すと偏見が強まる」という誤解もよく聞かれます。でも、実際は逆です。オープンに精神疾患について話すことで、誤解を解消し、サポートを受けやすくなります。
アーヴィング・ゴッフマンという社会学者は提唱したように、偏見は無知や誤解から生まれます。これを打ち破るためには、私たち一人ひとりが精神疾患に対する正しい理解を持ち、周りの人々と話すことが重要です。
日本の現状:精神疾患についてオープンに話すことができる環境が少ないことが、問題解決の妨げとなっています。日本でもメンタルヘルス教育が進んでいますが、まだまだ改善の余地があり、特に職場での取り組みが鍵となるでしょう。
仕事が精神疾患を持つ人々にとって重要な理由
最後に、精神疾患を持つ人々にとって、仕事がどれほど重要かを考えてみましょう。仕事は単にお金を稼ぐためのものではなく、自己肯定感や社会的なつながり、日常のリズムを保つためにも重要な役割を果たしています。
特に精神疾患を抱える人々にとって、安定した仕事は日常生活を整え、社会とのつながりを感じる大切な手段です。職場は、彼らにとって重要なサポートの場所であり、偏見を取り除いてより健全な環境を作ることが求められます。
日本の現状:日本でも、メンタルヘルスに対する企業の意識が高まりつつありますが、まだ十分ではありません。多くの人が精神疾患を抱えていることを隠し、サポートを受けることなく働き続けています。その結果、職場でのパフォーマンスが低下し、さらには失業につながるケースも少なくありません。
私自身、過去にうつ病と適応障害を経験し、職場での孤立感や精神的な負担を強く感じていました。当時は周囲に話すことができず、自分の中に閉じこもってしまいました。しかし、適切な治療とサポートを受けることで、今ではメンタルヘルスの大切さを理解し、今では、30代~50代の社会人の副業や転職を支援するキャリアトレーナーとして、またSNSを通じてメンタルヘルスやキャリア形成の重要性を発信しています。私の経験が、少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。
メンタルヘルスを無視しない職場づくりを
精神疾患は誰にでも起こりうる問題です。しかし、それが理由で職場で偏見を受けたり、仕事を失ったりするべきではありません。職場でのメンタルヘルスのサポートを強化し、精神疾患に対する正しい理解を広めていくことが必要です。
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