皆さんは「美術館、行きますか?」
この記事では、美術館の新しい楽しみ方、美術鑑賞がもたらす休息の効果などをご紹介していきます。
先日、”博物館浴”という言葉をメディアで見かけましたが、私も休息やリラックス目的でたまに足を運ぶ1人です。
ただ、文科省の調査によれば国民1人が年間で博物館を訪れる回数はたった1回だそうです。モッタイナイ…
休息の観点でも、とても効果的な”美術鑑賞”についてご紹介していきます。
「休息」と「愉しみ」
最初にお伝えしておきますと、私は完全に素人です。
美術に興味を持ったのはマンガがきっかけですし、時代背景や画法などについても未だによくわかっておりません…。 そんな私でも「休息」と「愉しみ」を求めて美術館に行くのですが、必ずといっていいほど
「新たな知識の習得」
「新たな自分の一面の発見」
「仕事や人生で使えるひらめき」
「心地よき疲労」
これらを得ることができ、とても充実した時間を過ごすことができます。
証明される科学的な効果
実際に、世界各国で美術や博物館などの健康と心理的効果の検証が進んでいます。
◆イギリス
博物館で『MUSEUM CHANGE LIVES』というスローガンを掲げた子どもたちへのメンタルヘルス支援活動を実施。
◆オランダ
美術館で研修医を対象にアート鑑賞プログラムを実施し、ストレスの軽減、観察力や共感力の向上につなげている。
◆アメリカ
『マインドフルミュージアム』という、作品鑑賞とマインドフルネス(瞑想)を組み合わせたプログラムがある。
◆カナダ
精神的な疾患を抱えた患者さんに対して医師が『博物館』を処方する。処方箋に「博物館」と書かれ、薬の代わりに入場券をくれる。
◆イタリア
古美術を鑑賞すると心が落ち着いて血圧が下がり、現代美術を鑑賞すると反対に血圧が上がるという結果が出た。
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日本でも、美術鑑賞がもたらすリラックス効果を科学的に検証する実験が福岡市美術館で行われ、血圧と脈拍は緩やかに下がったほか、心理面では緊張不安が下がり、活気活力の数値が上がる傾向が見られたそうです。
10~20分程度の短時間でも効果があるようで、サウナさながらの「ととのう」効果が徐々に注目されるようになってきています。
その他にも、
・表現力が豊かになる
・直観力が磨かれる
・アート思考が養われる
・多様性が培われる
と言った効果もあるそうです。
今日はそんな私が美術館に行く際の心がけやルールについてお話しします。
美術にお詳しい方は素人の戯言ですのでどうか暖かい目でご覧ください。
頭でっかちな私は、一番最初に美術館に行く際、何名かの学芸員資格を持つ友人に
「どこを観るべきなの?お作法を教えて」と質問しました。
すると、全員がそろって
「そんなもんはない」「自由にみろ」
と言うのです。
これは困った、という顔をしていると
「そんなものはないが、楽しみ方の参考は教える」と言ってくれたので、その教えと私自身の経験談も交えてご紹介します。
楽しむポイント
① 解説はいきなり読まない
② 無理して全部見ようとしない
③ 事前に1つだけ作品を調べておく
解説はいきなり読まない
何も知らないから展示されている解説から読む、そういう方も多いと思います。しかし、無知であるほど解説の情報に思考を制限されてしまい、先入観に囚われてしまいます。
まずは自分の目で
「これはそもそもなに?」
「なぜ書いたの?」
「私はどんな気持ちになった?」
これらを整理したうえで、解説と比較してみましょう。見方は自由なのですから。
無理して全部見たり理解しようとしない
「この作品の意味をきちんと理解しよう…!」と意気込んでしまっていませんか?
真面目な人(頭の堅い私も)は、この傾向があるようで、いきなり序盤からフルスロットルに脳を働かせてしまい、疲れて後半まで楽しめないことも…
まずは一周して、気に入ったものから順に眺めていく。良く分からないものは自分に合わないと思ってササっと飛ばす。このくらいの気軽さで良いみたいです。
事前に1つだけ作品を調べておく
1つだけでも良いので、自分の中で「コレを見にいく!」とサイトなどで調べて決めておくと、その作品に出会った時の感動が全く違い、見た時の達成感や満足度が向上します。
これを繰り返して体験していくと、事前準備の時間が自ずと長くなっていきます。まずは1枚からでOK。
番外編
・なるべく身軽で歩きやすい服装で
・役に立つサイト
・お土産も楽しい
・なるべく身軽で歩きやすい服装で
それなりの展示になると、2時間程度、あるいは全て鑑賞するのに半日くらいかかることも珍しくありません。
つまりそのくらい歩いて疲れるということですね。
あまりラフな格好で行くものでもありませんが、ストレスフリーで鑑賞に集中できるよう、なるべく歩きやすく身軽な服装で行きましょう。
大抵の場合はコインロッカーがありますので利用するのも手です。
・役に立つサイト
最新の展覧会のニュースやレビューなどが掲載されているサイトです。
私のような素人は、解説を見ていると良く分からない単語が頻繁に出てきます。
そんなときにこのサイトの「アートワード」で検索してみましょう。
単語の解説だけでなく関連する作品や画家の繋がり、歴史なども教えてくれます。
・お土産も楽しい
お土産も楽しいですね。日常に使えるものは、生活の中で身近に作品や作家のことを感じさせてくれるので、短い休憩時間に眺めていると作品に想いを馳せながら「非日常感」を容易に味わうことができます。
長々と書きましたが、大切なことは
”マナーはあれど、見方は自由”